現代占星術における水星の象意と基本情報

太陽系のいちばん内側をまわる小柄な惑星、水星。

水星はいつも太陽のそばにあるため、昼間は太陽の明るさで見えなくなり、夜は太陽とともに沈みます。

明け方や夕方ならわずかに観測できることもありますが、一度も水星を見たことがないという人も多いでしょう。

 

太陽の近くに素早く現れてはまた消える神出鬼没な水星を、古代の人々は「神のメッセンジャー」と捉えていました。

占星術においてはコミュニケーションや思考、学習能力を司る天体として知られています。

この記事では、現代占星術における水星の象意と、年齢域や公転周期、オーブなどの基本情報を解説します。

水星の象意(キーワード)

水星の象意には、以下のようなものがあります。

知性、知的、知能、思考、論理、数学、学習、教育、知識、好奇心、言葉、伝達、言語力、コミュニケーション、メッセンジャー、通信、執筆、文章、文才、商才、商人、商業、サービス、市場、移動、フットワーク、素早さ、変化への適応、若々しさ

水星は英語でマーキュリー(Mercury)と呼ばれます。

マーキュリーはローマ神話における神々のメッセンジャーであり商業の神で、さらに古い時代、ギリシャ神話ではヘルメスと呼ばれました。

ヘルメスはゼウスの末子として生まれ泥棒と嘘の才能を発揮しますが、その才能が転じて商売の神とされています。

また生まれた直後にあちこちへ動きまわったことにより旅の神とも言われ、日本における道祖神のような神さまとされています。

 

ギリシャ神話の神々には、天や海などそれぞれが活動する場所がありますが、ヘルメスだけは自在に移動し、地上でも直接人間に語りかけたため、天と地をつなぐ架け橋のような存在なのです。

フットワーク軽く自在に動きまわり、好奇心旺盛なヘルメスの様子からは、若々しいイメージが思い浮かぶでしょう。

これらの神話は水星の象意と大きく関わっています。

 

また水星は太陽のそばにあるからといってずっと熱いわけではなく、昼と夜で温度が430℃からマイナス170℃に変化する惑星でもあります。

そのような変化に自在に適応する惑星の姿は、まさに水星の象意そのものですね。

水星の基本情報

ここからは水星の基本情報について紹介します。

支配するサイン 双子サイン、乙女サイン
公転周期 88日
イングレス期間
(一つのサインを通過するまで)
約19日
逆行期間 19日~24日間(一年に三回)
年齢域 8~15歳

水星が支配するサイン

水星が支配するサインは、双子座と乙女座です。

占星術の中心である太陽が支配する獅子座の隣に乙女座が、月が支配する蟹座の隣に双子座がそれぞれ位置しています。

双子座も乙女座も、水星が表す「情報」をキーワードに持つ星座です。

 

しかし同じ情報でも、双子座は情報を集めたり伝達したりする能力を、乙女座は情報を管理したり分析したりといった実務的な能力を発揮するイメージです。

また、会話やネットワークから情報を得る双子座に対し、乙女座は書籍やデータによる情報を重んじます。

どちらも知的でビジネス能力に長けた星座なので、まるで王(獅子座)と女王(蟹座)の横に、役割やタイプの違うサポート役が二人いるようですね。

水星の公転周期

水星の公転周期は88日です。

地球の一年の間に水星は数回太陽のまわりをまわることになります。

また地球から見て水星は、太陽から28度以上離れることがなく、太陽星座と水星星座が同じという人も多いでしょう。

占星術における水星と太陽のアスペクトはコンジャンクション(0度)しか存在しません

このように太陽に常に寄り添う水星は、太陽の「目的」を実現するための「行動」をサポートする惑星とも言われています。

水星のイングレス期間

水星のイングレス期間は、約19日です。

3週間弱で星座から星座を移動する水星ですが、逆行の期間は2カ月半ほど1つの星座に滞在することもあります。

惑星の公転速度の違いによって起こる逆行運動は他の惑星にもありますが、公転速度の速い水星の逆行は頻繁に起こります。

また地球と距離の近い惑星であることから影響力も大きいと言われているので、以下に水星の逆行について説明します。

水星の逆行

水星の逆行は年に3~4回起こり、逆行期間はそれぞれ3週間ほどです。

水星の逆行期間は、特にコミュニケーションや通信機器、交通にトラブルが起きやすいと言われています。

人間関係では意思疎通のすれ違いが起きたり、メールがうまく届かないなど情報伝達にエラーが起きたりします。

 

またスマホやパソコンが壊れやすい時期とも言われています。

電車などの公共交通機関が遅延しやすいのも水星逆行期間の特徴です。

個人では計算間違いなどにも注意しましょう。

 

しかし水星逆行は悪いことばかりがあるわけではありません。

水星逆行期間には失くし物が戻ってきたり、過去の人間関係が復活したりといったことも起こり得ます。

水星が入っているハウスやサインなどにもよりますが、復縁などを望んでいる人には期待のできる期間となるでしょう。

未来よりも過去に意識が向かう時期であり、ポジティブにもネガティブにも使うことができますので、上手に活用して計画の練り直しや物事を振り返る時間にしてみてください。

水星の年齢域

水星の年齢域は8~15歳です。

学習や教育を司る水星ですが、まさに小学校から中学校まで、日本の義務教育の時期にあたります。

月の年齢域で自分の土台を築いた後に、外へ出てたくさんの知識を吸収し、他者とのコミュニケーションを経験します。

自他との違いに気づく時期でもあります。

 

水星の年齢域では、水星の象意が示すように興味が向くことや好奇心が刺激されるようなことにたくさん触れることをおすすめします。

すでに大人になっている人は、この時期にどんなことに興味を持ったかを思い出してみると良いかもしれません。

ホロスコープの水星の位置と照らし合わせれば、興味深い発見があるのではないでしょうか。

まとめ

現代占星術における水星の象意と、支配するサインや年齢域などの基本情報について解説しました。

インターネットやスマホが普及した現代は、まさに水星が司る「情報」の時代といえます。

水星の運行をビジネスに活かそうと占星術に興味を持つ人も増えているようです。

日々の生活の中で、水星が示す象意や順行・逆行のエネルギーを上手に取り入れてみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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